ふるまいの建築   M2 佐分利信太朗

表層的ではない倉敷らしさを求め、市民に還元されながらも遠来者を招くような観光資源としての建築空間の提案。増加する都市の余白空間を有効活用し、遠来者を準市民として受け入れるための居住空間へと更新していくプロジェクトの第一歩として、市民と遠来者が混ざり合う活動の拠点を設計することとした。

郊外住宅地の中のオープンスペースのある暮らし  M2 塚谷友里

修士研究では現代の併用住宅の事例を研究し、家族のあり方について考えた。そして世田谷区二子玉川という郊外の住宅地で2つの時の住宅を設計した。夫婦と娘と夫の両親が2世帯住宅に暮らしながらカフェをやっている。25年後、子世帯をシェアハウスに建て替えカフェは公共空間かつ家族とシェアハウスの住人の食堂でもある。

闇のある街の、闇のある駅。  B4 田島進世
 
JR青梅線・奥多摩駅の駅舎改築と駅前整備の計画。
現代の都市や建築空間は人工照明によって闇が悉く追いやられているが、奥多摩の街や山々には今も尚、美しい闇が残っている。そんな奥多摩の玄関口である駅に、光と闇が共演する舞台を用意した。刻々と表情を変える光と闇は、時に旅人を勇気づけたり癒したりしてくれる。

風景の階調   B4 津金愛理

私は4年間アパートに住んできましたが、ときどき外界から隔絶されたような気持ちになることがあります。
しかし、集合住宅とはもっと混ざり合っていくべきだと考えます。
敷地の周囲の環境や人の流れを巻き込んだり、住戸同士の領域が混ざり合うような建築を敷地境界から考え提案します。

街のゆりかご  B4 西田早苗

 
"街のゆりかご”は子どものための複合施設である。4学区の緩衝帯である敷地(井の頭恩賜公園第二駐車場)に屋内緑化されたアトリウムを提案し、その内部に入れ子状に病児•病後児保育施設と児童図書館を提案した。アトリウムは異なる学区に住む子どもたちの交流の場となる。

ひだまりのびょういん  B4 中島彩貴

 
病院というと、私には居心地の悪いイメージがある。
そこで、外部を気にしなくてよい中庭をつくる、屋根を傾けて視線を遮りながら光を取り込む、人の動きが変化するように楕円形の床に中庭を偏心して配置するという3つの操作を行った。
日常と病院が穏やかにつながり、ほっとできる居心地のよい病院を目指した。

花鳥風月  B4 吉澤銀河

 
建築空間を言葉で説明するのが惜しまれる時、それは諸空間を組成する際に、それら単体でのみ意思を伝えられたと思う望みの裏打ちである。本計画は東京都立中央図書館のカウンタープロポーザルである。それは既存の回遊式庭園に新しいレイヤーを生成することで、風景の転換を誘発させることに帰着する。庭園に潜在する表面の美しさを救いとる行為。

居住の地層 ぬくもりの雪層  B4 木下葉月

 
敷地はJR青森駅から路線バスで約30分の幸畑団地。
11月から4月まで積雪が続き、約半年の長い冬が続く。
地中の温度は安定し、気温の影響をあまり受けない。
中国の住宅ヤオトンのように、穴を掘り、その側面に長屋状の住宅が連なった形の集合住宅である。
そこに空気を多く含む雪がかぶさることでかまくらのように断熱効果を期待する。